平和の神:パクスの言葉

人文主義エラスムスの『平和の訴え』という著作がある。



これは人間たちが「残虐極まりない方法で」戦いの中にある現状を前にして、「平和の神」パクスが



それに異を唱えるというもの。



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「ほんの些細な無礼でも戦争を引き起こしてしまうというならば、結局、戦争に訴えるという口実となら



ないものは、一つとしてないでしょう。・・法律もあります。学識深い人々もおられます。・・・これら



の人々の健全なご意見によって紛争を収めることができるでしょうに。なぜこうしたかたがたに仲裁者に



なってもらってもらわないのか?その最低は、たとえどのような不公正なものであっても、武力に訴える



よりは、害悪が少なくて済むでしょう。およそいかなる平和も、たとえそれがどんなに正しくないもので



あろうとも、もっとも正しいとされるいかなる戦争より良いものなのです」
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「平和の神」パクスはどれほど不正な平和でも、「最も正しいとされる戦争」より優れているという。